こんにちは!イチローです(^^)
Twitterを覗いてみると、じりじりと値下げをするせどらーには見事なばかりの罵詈雑言が浴びせられているのを見かけます。
では、値下げの何が悪なのか理解しているのか?と問えば、何となくイメージで叩いている場合も多そうです。
盲目的なバッシングが一般化しているとすれば、それは非常に危険な状態だと思うので、値下げとは何か?、なぜ値下げが悪いことではないのかについて考えてみたいと思います。
今回の記事は値下げ販売を推奨するためのものではないですが、私の認識を記事にしたものです。
値下げ販売が悪ではない理由
まず初めに、値下げ販売が悪ではない唯一の理由は、価格は『需要』と『供給』でしか決まらないから。
これが全て。
世の中の『値下げするせどらーのせいで利益が減った』とか、『値下げするせどらーのせいで価格崩壊が起きてしまった』というのは間違いなのである。
価格を決めるのは『需要』と『供給』のバランスでしかない。
せどらーは市場価格を操作することは出来ない
少し考えてみると分かるのだが、せどらーはこの『需要』や『供給』に関与できるだろうか?
そこにせどらーの存在は全く関与しない(出来ない)し、そんな力もない。
何が言いたいかというと、転売ヤーがいなくてもPS5の相場は9万円になるしエアジョーダンは5万円になるのである。
せどらーは供給を止めている訳ではない
大前提としてせどらーは供給に関与することは出来ないことを理解すべきであろう。
仮に供給にせどらーが関与できるのなら、ありとあらゆる商品を買い占めて、値段を吊り上げることが出来るということになってしまう。
でも現実にはそうではない。
せどらーが扱う商品は世の中に流通するものの中でごく一部の商品のみである。
世の中には多くのせどらーなり転売ヤーがいるが、ほとんどの商品は一般人が買いたいと思った時に買うことが出来るよう、問題無く潤沢に商品は供給され続けているのである。
つまり、せどらーが商品を品薄にしているのではなく、品薄になった商品にせどらーが群がっているという構図なのである。
今、世の中で忌み嫌われる転売は必ず品薄から始まるのだ。
せどらーは在庫を抱えたがらない
せどらーは品薄商品を買い占めたところで、在庫を抱え続けることは無い。
(一部の『寝かせ』と呼ばれる需要と供給のバランスが崩れるまで待って商品を売り捌く手法は除く)
せどらーは品薄商品を買い占めることに成功したら、少しでも早く売りさばいて現金化したいのである。
せどらーはそれほどキャッシュリッチではないのだ。
私も含め仕入れにクレジットカードを使う者も多く、支払期限に間に合うように現金化しないと資金ショートしてしまう。
また、もたもたしているといつ他のせどらーによって供給が追い付いてくるかも知れず、供給が安定化することで値崩れしてしまうリスクもある。
そうなると商品を買い占めた労力や時間、お金が無駄になってしまう。
つまり、せどらーにとって在庫は大きなリスクなのである。
せどらーは、単に 『需要』と『供給』の歪みの間に挟まっているだけの存在なのである。
そう『需要』と『供給』 のバランスに影響を与えてはいないのだ。
せどらーは売るまでが仕事
せどらーは品薄商品に群がっているだけで、品薄商品を作り出してはいない。
現に、コロナ禍でマスクを筆頭に様々なものが値上がり品薄となったが、その後に供給が追い付いたことで価格も安定しそこに群がっていた転売屋は消えた。
もしせどらーが品薄を演出することが出来るのであれば、なぜマスクを買い占め続けなかったのだろう。
それが出来ないのは、せどらーは買った商品を吐き出さなければ生きてゆくことが出来ないからだ。
供給が増えればせどらーの出る幕はないのである。
∴せどらーは 『需要』と『供給』 のバランスに影響を与えてはいない 。
価格は需要と供給のバランスで決まる
今の世の中では転売ヤーが価格を吊り上げていると思われがちだが、実は転売ヤーに価格の決定権はない。
転売ヤー・せどらーに出来るのは『買ってくれそうな値段で商品を出品すること』だけだ。
その値段が的を得て無ければ売れ残り、値下げせざるを得ないだけなのである。
今もPS5などの商品で品薄、価格高騰が続いているが、これの原因は 『需要』と『供給』 のバランス が崩れているからだ。
転売という訳ではないが、腕時計のロレックスや自動車のジムニーは2次販売店では中古価格が定価を上回っているものもある。
これも 『需要』と『供給』 のバランス が崩れているからだ。
(不思議とこれは叩かれない)
モノの相場は購入者が決める
この世の中に転売ヤーなりせどらーが居なかったとしても、メーカーが価格統制をしない限りPS5の相場は今と大差はないだろう。
今、PS5がフリマサイトなどで9万円で売られているのは、9万円で売りたいからではなく、9万円で買ってくれるからだ。その価格決定に売る側の意思は関係ない。
つまり、転売ヤー・せどらーは単に市場価格で販売しているに過ぎない。
市場がPS5に対し、お前の価値は9万円だと言っているのである。
転売ヤー・せどらーはその声を正確に汲み取り、市場価格に沿って妥当な価格で販売しているだけ。
それで売れなければ、価格は下がっていくことになる。
何度も同じことを言って恐縮だが、転売ヤ―・せどらーは品薄にも価格高騰、価格下落にも一切影響を与えていない。
ただ、既に品薄で価格が高騰してる商品を探して販売店と購入者の間で利益を得ているだけ。
事実はこれだけなのだ。
転売による社会的損失はあるのか
転売ヤーが 品薄にも価格高騰にも一切影響していないということは分かった。
でも、『転売ヤーが販売店と購入者の間で不当に利益を得ているのが許せない』という人が一定数いるのは理解できる。
転売ヤーやせどらーが跳梁跋扈するのは社会的損失だ!という意見もわかる。
確かにマクロ的視点で言えば、付加価値を生まない中間業者が利益を貪るのは、社会全体から見ればマイナスだろう。
しかしながら、現実問題この付加価値を生まない中間業者というのは意外と多い。
銀行、マスコミ、卸業者などがこれに当たるだろう。
昨今、このような業態はインターネットの発達により急速に存在価値を落としている。
せどらーの話に戻そう。
実際はせどらーのせいでその商品を買えなかった人の数だけ、せどらーのお蔭でその商品を買えた人がいるということは事実。
社会全体から見ればプラマイゼロとなる。
販売店は商品が売れてうれしいし、せどらーはマージンが取れてうれしいし、購入者は品薄の商品を納得の価格で手に入れることが出来てうれしい。
ありゃ?三方良しが現出されているではないか。
買えなかった人は幸せになれなかったけど、金銭的に損はしていない。
では、誰が悪かったのか
PS5を9万円も出さないと買えないのは誰が悪いのか。
転売ヤーのせいで買えなかった。 否っ!
そもそも供給量が少なすぎるだけ。
需要に対する供給を合わせないメーカーが悪いのである。
特に新品の場合、品薄や価格高騰の責任はメーカーにある。
これは長年製造業に携わっている私の本心だ。
本当の原因は分からないが供給量が増やせないのはこんなところだ。
・部品が調達できない。
・良品率が悪い。
・需要を読み違えた。
・日本市場(アジア市場)を軽視し、供給を絞っている。
・生産を絞って飢餓感を演出している。
恐らく、この全てが大なり小なり当てはまっていると推測する。
メーカーとすれば意地でもなんとかしないといけない状況であるが、PS5の品薄は発売から1年以上続いている。
SONYほどの大企業でもどうしようもない大きな問題なのか、あるいは今の状況を容認しているだけだろう。
転売にも本当にやっちゃいけないものがある
今までつらつらと書いてきたが、一部例外があって、それがコンサートなどのチケットやマスクの転売である。
両方とも社会的に影響が大きいと判断され現在は規制されるに至っている。
これは本当にやってはいけないものだ。
ただし、社会の混乱を一時的に防ぐという意味で国家が禁止した訳だが、基本的に日本は自由主義経済という建前だ。
あまりに国家権力が規制や介入を行うのは自然ではないだろう。
故に転売やせどり行為も自由という理解になる。
私は、今後も本当に社会的影響が大きいもののみを規制すれば良いというスタンスだ。
まとめ
私は自分がせどりをやっているからと言うわけでもないが、せどりを含む転売(品薄商品を見つけて利鞘を抜く行為)には肯定的というか、これをダメだという根拠は無いように思える。
そもそも転売とせどり、一般的な物販の境界線はかなり曖昧なものだ。
例えば、せどらーでもないあなたが、フリマサイトで不用品を売ろうとした時、定価以上で売れることが分かったとする。
それはあなたには不用品でも世間では貴重な商品とされているからなのだが、相場が定価以上だから『売るのは止めておこう』となるだろうか?
『ラッキー!思ったより高く売れた』と思うだろう。
そう、価格は 『需要』や『供給』 のバランスで決まっているだけなのだから。
希少な商品でもお金を出せば買えるというのはある意味健全な状態とも言える。
何となくの雰囲気で思考停止で、値下げ販売が叩かれる状況に『ちょっと待って』と言いたい。
値下げ競争に巻き込まれたのは、誰のせいでもない。
価格は 『需要』や『供給』 のバランスで決まっているだけなのだから。
もっと言うと、その商品を仕入れて販売しようとした、自分の判断が間違っていただけなのである。
自分の成長のためには他責思考よりも自責思考でありたいもの。
本質的な問題は何なのかを考える端緒にしていただければ幸いだ。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
それではまた!
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